おじいさんとおばあさんから

おじいさんとおばあさんから

いつものように教室にいると、おじいさんとおばあさんが訪ねてきました。

「ここは塾かね」

ええ、そうですけど。

まあ、そうは見えないかもしれませんが。

 

「うちの孫二人なんやけど、見てもらえんかね」

別にかまいませんよ。

おいくつですか。

「まだ小学三年生と一年生で、ふだんは私らが見とるけど、だんだん勉強もむずかしくなるし、この子のお母さんもいそがしくてなあ」

はい、できることとできないことがありますが、とりあえずお越しください。

 

そんな風に入塾した姉妹も

もう卒塾してひとりは私立中学で寮生活をしています。

いつもおねえちゃんと競り合っていた妹は

集団塾で自分を鍛えたいと、5年生で転塾していきました。

背が小さいから、椅子に座って足が届かないので、クッションを用意しました。時計を読むことができなかったので、公文式の時計をふたつ買いました。

昨日のことのようです。

 

不思議なものです。

たくさんチラシを配布してもひとつも問い合わせがないこともあれば、ふらりと訪ねてみえることもあります。

 

いつもは特に意識しないけど、ある時ふっと思い出してくれる教室であり続けたいと思います。